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量子回路とプロトコル

回路記法・複製不可能定理・テレポーテーション・超密符号化

回路図を順序づけられた状態発展として読み、最初の本格的な量子情報プロトコルへ接続します。

ゲートともつれを、量子情報処理のプロトコルへ接続します。

公開中46 発展

学習目標

  • 回路図の時間順序、ワイヤ、制御、測定を読める。
  • 任意の未知状態をユニタリ回路でコピーできない理由を説明できる。
  • テレポーテーションの情報の流れを、超光速転送と誤解せず追跡できる。
  • 量子もつれと古典通信を組み合わせるプロトコルとして、テレポーテーションと超密符号化を比較できる。
この章の内容

学習目標

  • 回路図のワイヤ、制御、測定、時間順序を読める。
  • 線形性から複製不可能定理を説明できる。
  • テレポーテーションを、量子もつれと2古典ビットを使うプロトコルとして追跡できる。
  • テレポーテーションと超密符号化を、誇張せず比較できる。

アリス、プロトコル鉄道へ進む

前章では、2本のワイヤが1つの結合状態を共有できることを学びました。ここでは、そのワイヤが回路へ伸びます。回路図は粒子が管を流れる絵ではありません。状態発展、古典的な結果、条件つき操作を順序立てて書いた手順です。

前提の復習

H と CNOT が Φ+|\Phi^+\rangle を作ること、測定が確率的であること、理想回路のゲートがユニタリであることを使います。この章では、それらをプロトコルとして読むための約束を加えます。

回路記法

多くの回路図は左から右へ読みます。水平線は量子ビットの時間発展を表します。箱はゲート、制御点と標的を結ぶ線は制御操作、メーター記号は古典ビットを生む測定を表します。

2量子ビット回路で1つ目に H を作用させる操作は HIH\otimes I です。1つ目を制御、2つ目を標的とする CNOT は4次元のユニタリです。積を取るとベル状態が準備されます。

CNOT(HI)00=00+112.\mathrm{CNOT}(H\otimes I)|00\rangle = \frac{|00\rangle+|11\rangle}{\sqrt{2}}.

複製不可能定理

古典ファイルはコピーできます。しかし、任意の未知の量子状態はコピーできません。もし万能な物理コピー操作が存在するなら、固定された空白レジスタや環境まで含めても線形性を保つ必要があります。理想的な閉鎖系として、その作用をユニタリ UU

Uψ0=ψψU|\psi\rangle|0\rangle = |\psi\rangle|\psi\rangle

が任意の ψ|\psi\rangle で成り立つと仮定します。特に

U00=00,U10=11U|0\rangle|0\rangle=|0\rangle|0\rangle,\quad U|1\rangle|0\rangle=|1\rangle|1\rangle

です。すると線形性により

U+0=00+112U|+\rangle|0\rangle = \frac{|00\rangle+|11\rangle}{\sqrt{2}}

でなければなりません。しかし、+|+\rangle を2つコピーした状態は

++=00+01+10+112|+\rangle|+\rangle = \frac{|00\rangle+|01\rangle+|10\rangle+|11\rangle}{2}

です。両者は異なります。これが複製不可能定理の直感です。既知の +|+\rangle を何度も準備することは禁じていません。禁じているのは、任意の未知入力を完全コピーする万能操作です。

テレポーテーション

量子テレポーテーションは、共有ベル対、ベル基底測定、2つの古典ビット、補正操作を使って未知の量子ビット状態を転送します。物質を瞬間移動させるわけでも、超光速通信をするわけでもありません。

Alice が ψ=α0+β1|\psi\rangle=\alpha|0\rangle+\beta|1\rangle を Bob に送りたいとします。まず2人は Φ+|\Phi^+\rangle を共有します。Alice は未知状態と自分のベル対半分に対してベル測定を行います。結果は2つの古典ビットです。Bob はそれに応じて II, XX, ZZ, XZXZ のいずれかを作用させます。補正後、Bob の量子ビットは ψ|\psi\rangle になります。

標準的な回路の1つでは、入力量子ビットを制御、Alice 側のベル対量子ビットを標的として CNOT を行い、入力へ H を適用してから両方を Z 基底測定します。その順で記録したビットを (m1,m2)(m_1,m_2) とすれば、Bob は Xm2Zm1X^{m_2}Z^{m_1} を適用できます。図によって古典ビットの名前や順序が異なるため、補正表は規約と一緒に示して初めて意味を持ちます。両補正が必要な場合、XZXZZXZX の違いは補正後状態の観測不能な大域位相だけです。

テレポーテーションの情報の流れ
  1. 1

    未知状態と共有ベル対

  2. 2

    Alice 側2量子ビットのベル測定

  3. 3

    2つの古典ビットを Bob へ送る

  4. 4

    Bob が I, X, Z, XZ のいずれかを作用させる

  5. 5

    Bob が元の状態を持つ。Alice 側の元状態は残らない

Alice の元状態は測定で消費されるため、複製不可能定理は破られません。

超密符号化

超密符号化は、資源の使い方が逆向きです。共有ベル対があらかじめあるとき、Alice は自分の量子ビットに II, XX, ZZ, XZXZ のいずれかを作用させて2古典ビットを符号化し、その量子ビットを Bob に送ります。Bob はベル基底測定で2ビットを復元します。

孤立した1量子ビットだけで2ビットを送っているわけではありません。事前共有されたもつれと、送信された1量子ビットを合わせて使っています。教科書的な説明はベル対、ゲート、通信路、ベル測定が理想的に動くと仮定します。物理実装では、もつれ配布、損失、ノイズ、復号誤りも数える必要があります。

計算例:+|+\rangle のテレポーテーション

ベル測定記録を (m1,m2)=(1,0)(m_1,m_2)=(1,0) とします。上の規約では、補正前の Bob の状態は Z+=Z|+\rangle=|-\rangle です。ZZ を適用すると +|+\rangle に戻ります。Alice が入力振幅を知る必要はなく、Bob は古典ビットが届くまで復元を完了できません。

よくある誤解

ガイド付き演習

テレポーテーションについて (m1,m2)=00,01,10,11(m_1,m_2)=00,01,10,11 の4行の表を作り、Xm2Zm1X^{m_2}Z^{m_1} を評価します。次に超密符号化の資源台帳を作ります。メッセージ前に準備するもの、通信路を物理的に通るもの、Bob の測定、消費される資源を記録してください。

章末評価

小さな回路を読み、複製不可能定理を線形性から説明し、テレポーテーションまたは超密符号化を正しい資源計算で説明できるようにしましょう。

理解度チェック

テレポーテーションを完了するために、Bob が受け取る必要がある情報はどれか。

まとめ

次の一歩

プロトコルを操作ごと、資源ごとに監査できるようになりました。第7章では、この回路技能を使い、明確に定義された計算問題へ干渉で答えるオラクル・アルゴリズムを構築します。

参考文献と発展学習

章の演習

この章の内容を、短い対話型演習で練習します。

理解度チェックfoundation

回路読解室

ワイヤ、制御、測定、時間順序を正しく読む。

未開始

ヒント

ゲートは振幅を可逆に変換し、測定は古典記録と状態更新を生みます。

鉄道の時刻表

アリスは回路を左から右へ読む。案内人は出力を隠し、「メーターが鳴る前に何が起きたか」と尋ねる。

測定記号は回路に何を加えるか。
    演習foundation

    複製不可能の分岐点

    線形性から、任意の未知状態をコピーできない理由を見る。

    未開始

    線形性のテスト

    |0> と |1> をコピーする機械は、線形性により |+>|0> を (|00>+|11>)/sqrt(2) に写します。しかし |+> の2コピーは (|00>+|01>+|10>+|11>)/2 です。

    複製不可能定理が禁じるものは何か。
      対話型の例intermediate

      テレポーテーション中継

      ベル測定、2つの古典ビット、補正ゲートを追う。

      未開始

      ヒント

      事前共有する量子資源と、Bob が状態を復元するまでに必要な全メッセージを列挙します。

      中継駅

      アリスは未知状態をコピーできない。そこでベル対と古典的な中継を使う。

      テレポーテーションを完了する資源はどれか。
        チャプター確認問題intermediate

        第6章 評価

        回路記法、複製不可能定理、テレポーテーション、超密符号化を統合する。

        未開始

        ヒント

        消費するもの、通信路を通るもの、最後に残るものを述べます。
        評価 I — テレポーテーションが複製不可能定理と両立する理由はどれか。
        評価 II — 超密符号化が仮定する追加資源は何か。
          演習intermediate

          回路順序の追跡

          交換しないゲート順序を、状態を段階的に発展させて比較する。

          未開始

          2つの運行表

          Alice は、同じゲートを逆順に並べた2つの単一量子ビット回路を比較します。

          ヒント

          回路は入力から出力へ読みます。HX0HX|0\rangle のような行列積では、右端の行列から作用します。

          HX|0> と XH|0> について正しいものはどれですか。
            対話型の例intermediate

            テレポーテーション補正表

            明示した規約の下でベル測定ビットを Bob の補正へ対応づける。

            未開始

            補正指令所

            Alice の第1ビットを CNOT と H の後の入力量子ビットの Z 測定、第2ビットをベル対側量子ビットの Z 測定とする規約を使います。

            ヒント

            この規約では Bob は Xm2Zm1X^{m_2}Z^{m_1} を適用します。両ビットが1のとき、行列順序の違いは物理的に無関係な大域位相だけです。

            (m1,m2)=(1,0) のとき、|psi> を復元する補正はどれですか。
              理解度チェックadvanced

              超密符号化の資源台帳

              共有ベル対、送信量子ビット、復元される古典ビットを数える。

              未開始

              資源台帳

              駅は標語だけでは通しません。Alice は超密符号化で使う全資源を列挙します。

              ヒント

              メッセージより前に準備された資源と、符号化後に送信される系を分けて考えます。

              標準的な超密符号化を完全に表す台帳はどれですか。
                チャプター確認問題advanced

                プロトコル資源監査

                テレポーテーション、複製、超密符号化の不完全な主張を修正する。

                未開始

                プロトコル監査官

                「テレポーテーションは量子ビットを無料で瞬時に複製する」という製品説明を Alice が監査します。

                ヒント

                目的、消費するもつれ、古典または量子通信、完了時刻、入力が残るかを確認します。

                正しい監査結果はどれですか。

                  章の完了

                  完了した演習: 0/8

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